山口県のほぼ中央に位置する「湯の口温泉」。有名な山口市の湯田温泉から車で20分のところにあり、およそ1,400年の歴史をもつ古湯で、その地に一軒だけの宿が「天宿の杜 桂月(てんじゅくのもり・けいげつ)」である。
その桂月は、わずか9室の宿で、小さな宿を想像して行ったのだが、意外にも堂々とした現代的な和風建築で、外観や館内のしつらえから、そのイメージが違っていたのは嬉しい誤算だった。小高い場所に建ち、周囲を緑に囲まれた館は、落ち着いた感があり、泊まりの期待も高まる。ロビー、客室やお食事処に共通するのだが、天井が通常より高く、開放感がある。早速入ったお風呂も収容人数から考えると非常に広く、全体的にゆったりとした気分になれる。
この宿のオーナーは、下関に桂月の冠を付けた料亭を二店舗経営している。このことがこの宿の一番の特徴で、料理には相当の自信をもって臨んでいるのは言うまでもない。料理長と話をする機会があったのだが、今はなかなか日本料理の職人が育たない時代になっていると。でも本物の日本料理を提供していけば、お客様にも評価していただけるチャンスもあると言う自信に満ちた言葉は印象に残った。
さて、お目当ての食事は、お食事処の個室でいただいたのだが、非常に繊細な包丁さばきの造りや、凝った真丈の吸物やあんかけ、初めて食べた豚の角煮の天婦羅など、どれも納得できる味である。また、佐賀牛のすき焼きも出され、肉と魚がバランスよく出されているのも特徴だろう。
朝食も夕食に違わず、細やかな配慮が感じられる食事内容になっている。地元の野菜の煮物などは器も温めてあり、冷めない工夫もしてある。朝晩を通じて、塩や醤油なども吟味され、器も料理との調和も考えていると感じられるのは会席料理、日本料理の真骨頂だろう。
宿のオーナーや料理長は、佐賀牛など見られるように本当に美味しいものを提供したいという心意気が充分に感じられた。お客様がこれが食べたいと思うリクエストには応えることができ、逆に旬の良い食材を仕入れることができたから、それを伝えて来ていただけるような料理宿になることが理想だと言う言葉も、まんざら遠い話ではないような気がして宿を後にした。
お一人様料金 | 平日 | 休前日 | 特別期間 (12/31~1/3、4/29~5/6、8/7~8/15) |
1泊2食付(スタンダード会席) | ¥16,500 | ¥19,800 | サービスなし |
1泊2食付(グレードアップ会席) | ¥22,000 | ¥25,300 | ¥35,200 |
お子様料金 | 小学生:大人料金の70% 幼児(食事・布団あり):大人料金の50% 幼児(布団のみ):¥2,200 乳児(3歳未満 ):何も必要ない場合¥1,100 |
部屋での食事 | 朝食、夕食ともレストランでお召し上がりいただきます。 | |
クレジットカード | JCB、VISA、MASTER、AMEX、DC,UC、ダイナース | |
駐車場 | 40台(無料) | |
送迎 | ||
洗顔セット | 歯ブラシ、歯磨き粉、タオル | |
バスセット | バスタオル、浴衣 | |
貸し出し品 | 加湿器(2台) |
【収容人数】 44人 |
〒754-0122 |