山口県下関市にある川棚温泉は、古くは藩主・毛利氏が湯治として利用した800年続く温泉地。背後を山に囲まれ、前方は田園風景の向こうに響灘の海に浮かぶ厚島を望める静かな温泉地である。小さな宿が点在する中、それとの対比でひときわ大きく近代的な建物が「川棚グランドホテルお多福」である。
川棚グランドホテルお多福の魅力は、この地に根付いた文化をできるだけ提供し、充実した時間を過ごして欲しいとの姿勢を感じられることだろう。ただ、それは昔から守ってるものをずっと提供するというのも一つだが、ここではよき伝統は守りながらも時代のニーズに合わせ、できるだけ快適に提供するというやり方をとっている。
具体的には、種田山頭火がこの地に100日間逗留し俳句を詠んでいるが、それを活かした「山頭火」という名の大浴場だ。この大浴場は建築家の有馬裕之氏が設計したもの。四角形の建物の大浴場は大きなガラス張りで、大浴場から続く露天風呂の壁面や脱衣所には山頭火の俳句が記されている。大浴場からは緑が見え、外に繋がる一体感があり、露天風呂では大浴場の灯りが漏れ、それが心地良さに繋がり、長湯する客が多いのも頷ける。
そしてもう一つが近年できたダイニング「かえでてらす」である。前述の有馬氏の設計した茶室を囲むように楓の木が茂った中庭を眺められ、スタイリッシュで照度を落としシックな色調で統一されている。天然木のモザイクや、川棚の山から搬出した石積みはこのダイニングのハイライトで落ち着いた空間になっている。
従来からの伝統を守りつつ、新しく殻を破ることを恐れず、最終的にはお客様のためという思いが伺える。半露天風呂にツインとリビングのバリアフリーの客室(臥龍梅の館)や露天檜風呂に和室(花椿の館)はそれが良く表れている。
貸切り風呂などの様々な施設は充実している。共通するのはスペースにゆとりがある。手足を広げ、身も心もゆっくりと滞在したい。そして川棚の自然の豊かさを楽しみたい。格式を重んじた名宿とはまた違った趣であるが比肩し、山口を代表する宿の一つである。
部屋での食事 | 半露天風呂付客室「臥龍梅」の場合、ご対応致します。 | |
クレジットカード | JCB、VISA、MASTER、AMEX、DC,UC、ダイナース等 | |
駐車場 | 250台(無料) | |
送迎 | JR川棚温泉駅まで | |
洗面セット | 歯ブラシ、タオル、石鹸、カミソリ | |
バスセット | バスタオル、浴衣 | |
貸し出し品 |
【収容人数】 250人 |
〒759-6301 |