"なんやこれ!、ごっついヒトや!!!"それまで宮島ではほとんど見たことがなかった人の列、そして列、列、列……。11月に入ってからは宮島桟橋は観光客でごった返している。11月半ば、私もこの列に並ぶことがあった。
前に並んでいるのはおじいちゃん、その前はおばあちゃん、そして、その前はおじいちゃん。おじいちゃん、おばあちゃん、おじいちゃん、おばあちゃん、……その列は果てしなく続いている。その日は午後から約束があって12時ちょうどの船には乗らなければならず、混雑を見越して30分早く桟橋に来たのに、時間は既に11時50分。列に並んでから行ってしまった船は2本ほど……。しかし、その列が動く気配は一向にない。12時の船に乗らなければ遅刻が決定の私はさすがにいらつき始めた。
そして、その12時の船が出る1分26秒ほど前、後ろから歩いてきたおじいちゃんが私の前のおじいちゃんに話しかけた。「すまんの〜、鹿にカメラを取られて追っかけていたら、みんなとはぐれてしもうた〜」それを聞いた前のおじいちゃんは「添乗員さんや〜、健さんが戻ってきたぞ〜」と列の前の方に向かって大きな声。すると、添乗員さんが近くに来て「も〜、おじいちゃん心配したんですよ〜。」そして私の列の前に並んでいた人達に向けて「みなさ〜ん、健さんが帰ってきたので出発しま〜す。あら、でも12時のはもう間に合いませんから次のにしますね〜」
慌てて乗り場入り口に走ったが間に合わず。遅刻決定。よく考えれば私の後ろには誰も並ばないのでおかしいとは思っていたが……。
こじつけかもしれないが、日本人の旅行の在り方に疑問を感じる今日この頃……。
(トレーバー、1999年12月3日)